静景日和|Photo.SeTaの撮影手帖

Photo.SeTaが綴る、静景写真のことと日常のこと。

出の山公園のホタル撮影で失敗した夜。撮れなかった原因と次回に活かす改善点

ホタルは飛んでいたのに、1枚も撮れなかった夜がありました。条件を整えたつもりでも、現地では想定外が重なることがあります。

5月下旬、宮崎県小林市の出の山公園へホタル撮影に行きました。多い夜には「山が動く」と表現されるほど飛ぶ場所として知られていますが、この夜は霧雨が混じり、撮影としてはかなり厳しい状況でした。

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この失敗を踏まえて組み直した、来年に向けたホタル撮影の作戦ノートはこちらです。

→ ホタル撮影の作戦ノート|一枚も撮れなかった私が組み直す「線と点」の撮り方

現地入りは18時ごろで、暗くなってから20時ごろまでの約2時間粘りました。時期、時間帯、風の弱さ、湿度は事前に調べていて、条件はかなり良いはずでした。それでも、結果としてはシャッターを切れずに終わっています。

いちばん大きかったのは、霧雨の存在です。降水量の予報は雨ではなくても、湿度が高い夜の上限側には霧雨が混じることがあります。ホタルがよく飛ぶ条件と、撮影に向く条件は重なるようで、実際には少しずれています。

もうひとつの失敗は、固定手段を持っていかなかったことです。ホタル撮影は長秒露光や比較明合成が前提になることが多く、三脚や一脚がない時点でかなり不利でした。

この夜の装備——「手持ちスタイル」の限界

この夜の装備は、OM-1と、いつも持ち歩いている基本セット(17mm F1.8・8mm魚眼・60mmマクロ・40-150mm F2.8)。つまり、いつもどおり手持ちで撮るつもりで行ったんです。

私は普段、渓流の1秒露光や夜のライトアップも手持ちで撮ります。OM-1の手ぶれ補正を信じるスタイルで、それでだいたい何とかなってきました。でもホタルは別でした。光跡を線として残すには、何分間もカメラを同じ位置に固定し続ける必要があります。1枚の露光を止める手ぶれ補正では、そもそも土俵が違う。「手持ちで何とかなる」が通用しない被写体があることを、現地で思い知りました。

ピント合わせも難航しました。暗闇ではAFが効きにくく、MFに切り替えても手がかりがありません。明るいうちに構図を決めて置きピンする方法は有効ですが、その場合はそこから動けなくなります。

今回はホタルが別の場所を飛んでも追えず、構図の自由度を失いました。明るい時間に2〜3案を見ておき、どこで待つかを先に決めておく必要があったと感じています。

撮れなかった代わりに、取れた下見データ

結局、この夜は1枚も撮れませんでした。ただ、現地で観察できたことは記録しておきます。次に行く人(と来年の自分)のための下見データです。

  • 飛び始めの時刻:19時ごろ。18時台はまだ明るさが残っていて、飛びません
  • この夜の飛び方:終始ちらほら。霧雨のせいか、「山が動く」ような乱舞にはなりませんでした
  • 飛ぶ場所:園内を流れる川の周りが中心。ホタルを狙うなら川沿いに構図を決めておくのが良さそうです

撮れなかったこと自体は残念でも、発生場所・飛ぶ時間帯・現地の様子が分かったのは、次回に向けた下見として意味がありました。

撮れなかった原因を整理する

失敗の要因は、天候だけではありませんでした。機材、ピント、待ち方の3つが同時に崩れたのが大きいです。

  • 霧雨で長秒露光に向かない状況だった
  • 三脚や一脚がなく、固定撮影ができなかった
  • 暗所でAFもMFも決め手に欠けた
  • 置きピン後に動けず、ホタルの飛ぶ場所の変化へ対応できなかった

この4点は、次に同じ条件で行くなら必ず潰しておきたい部分です。特に固定手段の有無は、ホタル撮影の成否をかなり左右します。

次回に向けた改善ポイント

改善点は明快でした。撮影そのものより、準備の詰め方を変える必要があります。

  • 降水量0mmでも霧雨を想定して現地入りする
  • 湿度が極端に高い夜は、撮影可否を早めに見直す
  • 三脚は使うか迷っても必ず持っていく
  • 明るいうちに構図を2〜3案決めておく
  • 置きピン前提なら、立ち位置と待機場所も先に決める

特に三脚は、使わない可能性があっても持っていくべきでした。ホタル撮影では「撮れるかどうか」以前に、「撮影体勢を作れるか」が先に来ます。

また、現地の下見は撮影失敗を帳消しにはしませんが、次回の精度を上げてくれます。飛んでいた時間帯、見えた範囲、暗くなってからの動き方を記録しておくだけでも、次の判断材料になります。

失敗から見えたホタル撮影の本質

ホタルは、条件がそろえば自然に飛んでくれます。ただし、撮影は別です。被写体の出現と、カメラで受け止める準備は分けて考えたほうが安定します。

今回の出の山公園では、そのズレをかなりはっきり体験しました。ホタルが見えても撮れない夜があること、そしてその原因の多くは事前準備で減らせることが分かったのは大きな収穫でした。

今年はシーズン中にリベンジできなかったので、この宿題は来年に持ち越しです。次に行くときは、天候の読み、固定手段、置きピンの3点を軸に組み直して、川沿いで待つところから始めます。撮れなかった夜の記録も、こうして整理しておくと次につながります。

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夜の撮影地を探すときは、露出と現場の読みを両方整理しておくと組み立てやすくなります。

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この記事を書いた人

Photo.SeTa|OM SYSTEM OM-1で、九州を中心に風景・花・夜景を撮影。フォトマスター検定2級。PIXTA・Adobe Stockにてストックフォト350点以上を公開・販売中。記事の撮影データは、RAWデータから確認した実際の設定を掲載しています。運営者情報


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