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冬の霧島連山・韓国岳。
霧氷の絶景が見られる人気のスポットですが、そこに辿り着くまでの「道路」が最初の難関です。
「宮崎や鹿児島なら、雪と言ってもそこまで降らないのでは?」
「運転には自信があるから、ノーマルタイヤでもゆっくり行けば大丈夫」
もしそう思っているなら、絶対にやめてください。
先日、実際に撮影に向かいましたが、登山口(えびの高原)へ向かう道中で路面が完全に凍結し、道路の真ん中で立ち往生するという恐怖体験をしました。
今回は、冬の韓国岳へのアクセスリスクと、絶体絶命のピンチを救ってくれた「スノーソックス(布製チェーン)」についてレポートします。
えびの高原への道は「スケートリンク」
韓国岳の登山口がある「えびの高原」は標高約1,200m。
平地では晴れていても、山道を登っていくにつれて気温は氷点下になり、景色が一変します。
道路の真ん中で動けなくなる恐怖
今回の山行、実は途中まで「行けるところまでノーマルタイヤで行こう」と甘く考えていました。
しかし、標高がある程度上がった地点で、路面はガチガチに凍った「ブラックアイスバーン」になっていました。
カーブの途中、アクセルを踏んでもタイヤが空転し、車体がズルッと横滑り。
前にも後ろにも進めなくなり、道路のド真ん中で完全に立ち往生してしまいました。
「やばい、動けない……」
対向車が来たらどうしよう、滑って崖の方に行ったらどうしよう……と、一気に冷や汗が吹き出しました。
「自分は運転が上手いから大丈夫」なんて過信は通用しません。 タイヤが物理的にグリップしなければ、車はただの鉄の塊です。

危機を救ってくれた「スノーソックス」
そんな絶望的な状況で、唯一の助けになったのが、トランクにお守り代わりに積んでいた「スノーソックス(布製タイヤチェーン)」です。
これがなければ、JAFを呼ぶことすら難しい山の中で完全に詰んでいました。
スタックした坂道での装着テクニック
通常、スノーソックスは「半分被せる → 車を少し前進させる → 残りを被せる」という手順で装着します。
しかし、今回は坂道の途中でスタックしていたため、タイヤが空転して「前進」することができませんでした。
「半分しか被せられない!詰んだ!」と一瞬焦りましたが、とっさに次の方法を試しました。
- まず、可能な範囲でスノーソックスを半分被せる。
- ギアを「ニュートラル(N)」に入れる。
- ブレーキを緩め、重力を利用して少しだけ「バック(後退)」してタイヤを回す。
- 残りの半分を被せる。
この機転でなんとか装着完了。
装着した途端、さっきまでツルツルだったタイヤが氷を噛み、嘘のように坂道を登り始めました。
コスパは最強だが「弱点」もある
このスノーソックス、あくまで緊急用として割り切れば非常に優秀ですが、万能ではありません。使ってみて感じたメリット・デメリットを正直に書いておきます。
【メリット】
- 圧倒的に安い: スタッフレスタイヤや金属チェーンを買うより断然安上がりです。
- 装着が楽: ジャッキアップ不要で、軽量。女性でも扱いやすいです。
【デメリット】
- 速度が出せない: 時速50km以下での走行が推奨されています。高速走行は厳禁です。
- 耐久性が低い: 雪のないアスファルトの上を走ると、布がすぐに破れてしまいます。あくまで「雪道・凍結路限定」です。
- グリップ力: さすがにスタッドレスや金属チェーンには劣ります。
それでも、「年に数回しか雪山に行かない」「スタッドレスを買うほどではない」という九州のドライバーにとって、トランクに入れておくだけで安心感が段違いです。
まとめ:装備なしでの入山は自殺行為
なんとか登山口まで辿り着きましたが、そこから先の山頂も極寒の強風が吹き荒れる過酷な環境でした。
安全に登山口に立って初めて、登山のスタートラインです。
万全の足回りで、冬山を楽しんでください。
ちなみに、苦労して登った山頂での撮影レポート(機材トラブル含む)は、こちらの記事で紹介しています。
【冬の韓国岳】絶景の霧氷と凍結トラブル。OM-1でもレンズヒーターが必要だった話